源氏物語 宇治十帖19

(十九)源氏物語とフリスビードッグ、モコとコロ(動画あり)


宇治十帖も、横川の僧都の登場までやってきました。この辺で、ちょっと一息入れます。今回は、源氏物語と関連づけて、フリスビードッグとして頑張っている愛犬モコ(♀ 6才)、コロ(♂ 4才)についてお話します。

フリスビーの試合の中で一番好きな時間は、ディスクをキャッチしたあと手元まで戻ってくる愛犬の姿を見守っているときです。遠くサッカーボールのように見えていたものが、だんだんこちらに近づくにつれて目鼻立ちもはっきりしてきて、一投一投色々な顔を見せてくれます。うまくキャッチ出来た時は、どんなもんだいと自慢そうに帰ってくるし、キャッチ出来なかった時は、申し訳なさそうに帰ってきます。

一投一投愛犬と会話を楽しむかのようにプレー出来るときは最高の瞬間です。モコの透き通るような青い瞳は、いたずらされて泣いている子供のように感じられ、その名の通りモコのもこもこの毛並みが風に吹かれて揺れている様子は、幼い少女のおさげ髪のように見える時があります。そんな時、なぜか源氏物語の有名な一場面、若紫(のちの紫の上)初登場のシーンが鮮明に浮かび上がってきます。

「十ばかりにやあらむと見えて、白き衣、やまぶきなどのなえたるを着て、走り来る女子・・・・・うつくしげなるかたちなり、髪は扇をひろげたるやうにゆらゆらとして、顔はいと赤くすりなして立てり。」

ただし、モコの性格はどちらかといえば朧月夜の君なんですが…。

では、コロはといえば三の宮(のちの匂宮)がイメージとして浮かんできます。紫の上が若紫として初登場したのが10才の時、それから32年の月日が流れ、5年ごしの病のため衰弱の加わる紫の上が、明石の中宮から引き取って育ててきた三の宮(5才のちの匂宮)に、庭の紅梅とともに二条院を護る約束をしている時の三の宮の姿がオーバーラップしてきます。

この場面は関西学院大学で出題されています。

もし、問題を解いてみてどうしても正解を確認したいという人がいれば、コロと一緒に解説させてもらいます。

コロは授業が終わるまで教室の外でひたすら待ち続けています。女三の宮に対する柏木のようにちょっとストーカー的な一面もあります。

生徒達が、かわいそうだからコロを入れてあげてという時は、時々教室の中に入れてやります。なぜか教壇の端っこで静かに授業を聞いています。

たまにお気に入りの女の子のところへ勉強がんばってと励ましに行きます。

源氏物語を読んでいると、幼い子供が登場するとき、場面がいきなりパッと明るくなるような気がします。紫式部自身、一人の女の子を育てているからでしょうか。源氏物語を執筆している時、幼い子供を登場させる場面では、紫式部の筆が踊っているような気がするのは私だけでしょうか。

受験生の皆さん、ここで問題です。

幼い子供が登場すると場面がパッと明るくなるような気がすると言いましたが、幼い女の子が登場する場面で、源氏物語悲しみの名場面に入るワンシーンがあります。その幼い女の子の母親は誰でしょうか。その女の子は後に中宮になります。
正解者のうち20名にJFAで決勝進出者に与えられるディスクをプレゼントします。ただし、決勝を戦うためのディスクですから、決勝戦で1回使用しています。

 

実は、今回あることにチャレンジして動画として収録しています。20才の匂宮が私と同じ青春時代に生き、恋をしたら、どのような恋を展開していくのかイメージを膨らませ、その恋にピッタリの当時のヒット曲をセレクトし、その曲に合わせて、コロのフリースタイルの演技を組み立ててみました。
読者の方も、あなたの生きた青春時代に、20才の匂宮が恋をしたと仮定して、その恋にピッタリの当時のヒット曲を選んでみてください。各自の捉えている匂宮像と、恋愛観、その人の生きた青春時代があいまって、面白い結果が出ると思います。

私の選んだ曲に関しては、どうせサザンあたりから選んだじゃないの、という意見が一番多かったのですが、私にとっては、サザンの世界よりはもう少しドロドロした、恨み辛みの世界で、でも憎みきれない…、そんなイメージを持っています。
もともと下手くそな上にぶっつけ本番で撮影したものですから、見苦しいところもあると思いますが、その辺は承知の上で御覧ください(モコのディスタンスもあります)。

では、私の選んだ曲とは?

※撮影してくれたのは木村先生です。朝早くから御苦労さんでした。

 

 

京都はこれから旅をするにはもっともよい季節です。もし、この秋お一人様で宇治を探索する予定の人がいれば、ワンコとの2ショットはいかがでしょうか。モコかコロにお伴させます。旅行に来られる一週間程前に、当校にTELしていただければ、きれいにシャンプーしてお待ちしています。あなたとワンコとの2ショットが絵になるコースを紹介します。二匹のうち気の合った方を選んでください。ただし、ミニスカートの方には、モコは勧められません。

もし、心が風邪を引いていたなら、恐がらないでやさしく抱きしめてみてください。ワンコの息づかいを肌で感じてください。いつの間にか、心がスーッと軽くなっていることに気付くはずです。モコとコロは何の取り柄もないワンコだけれど、毎年多くの受験生を見て来て、いつとはなく人の心の痛みの解るワンコになっていました。

最後に、少し前に映画にもなった有名な「犬と私の10の約束」を引用して終わりにします。次回から、いよいよ横川の僧都の登場です。楽しみにしてください。

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